40代ともなると、「髪が抜けるのが多くなった気がする」「ボリュームが出なくなってきた」「分け目が目立つようになってきた」など若いときとは違った悩みに。
男性と同じように働いている女性も多くなり、「仕事のストレス」「食生活の乱れ」「運動不足」など、薄毛になりやすい環境になりつつあります。
でも、女性ならキレイな艶のある髪をキープしたいもの。
そこで、薄毛の原因や対策、髪の毛が生える方法について、詳しくお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みくださいね。
女性と男性で薄毛の原因は違う
男性の薄毛は30代から、女性の薄毛は40代からといわれるように、気になる年代も薄くなる場所も原因も違います。
男性と女性の薄毛の違いについてみていきましょう。
男性の薄毛
男性の場合、テストステロンという男性ホルモンが、5αリダクターゼと結合し「ジヒドロテストステロン(DHT)」という男性ホルモンに変化します。
このジヒドロテストステロンが、成人以降にAGA(男性型脱毛症)や前立腺肥大、皮脂分泌などに影響を与えます。
ジヒドロテストステロンは遺伝の影響が多いといわれており、頭頂部を中心に薄くなるパターンと、前髪(額の生え際)がM字型に後退する、両方の3パターンあります。
女性に多いパターン:毛髪数が少なくて頭皮が見える
女性の場合、全体的に毛髪が間引かれたように薄くなるパターンが多く「びまん性脱毛症」といいます。
また、円形脱毛症とは違いびまん性脱毛症は脱毛の境界が分かりにくい特徴があります。全体的に薄くなっていたとしたら、びまん性脱毛症かもしれません。
男性の場合は、部分的に薄くなっていくパターンがほとんどですので、女性とは違うことがお分かりいただけるかと思います。
女性が薄毛になってしまう原因と対策
毛髪数が少なくなっていく原因(びまん性脱毛症の原因)は、まだ解明されていないそうですが、精神的ストレス、疲労、過度なダイエット、加齢、貧血などが原因とされています。
なお、甲状腺疾患などの病気やお薬の副作用で薄毛になったり脱毛したりしていることもありますので、気になる方は病院やクリニックで診察を受けるようにしましょう。
過度なダイエットによる乱れ
髪の毛の材料は食べ物。若い時にした無理なダイエットで消化吸収がスムーズにいかなくなった方の場合、材料が手に入らないから薄毛になっているということもあります。
内臓、お肌、爪や髪という順番で材料が使われますから、若い時に比べお肌の調子が悪くなったり、変化してきたりしたら、要注意。サプリメントや食事を改善して薄毛の予防や対策をしましょう。
栄養状態が悪いのかも?サプリメントや食事を改善しよう
ご自身では食生活に気を付けていて、タンパク質やビタミンをとっているつもりでも、実際には不足していることがあるそうです。
どのくらいタンパク質をとればいいかは、さまざまな学説があります。厚労省が出している食事摂取基準によると、18歳以上の成人女性なら1日50g。妊娠中なら50~75gとされています。
例えば、牛もも肉(赤身)100gで19.5g、鶏卵1つで6.2gですので、ダイエットしていなければ簡単にタンパク質50g以上とれますが、糖質抜き以外のダイエットしていると基準量よりも下回ってしまいます。
また、タンパク質は20種類のアミノ酸から構成されており、体内では合成されない必須アミノ酸は食事からとる必要があります。
必須アミノ酸であるリジンは、髪やお肌を構成するケラチンというタンパク質を作る働きに必要ですから、ケラチンの材料になるシステインが多いレバー、魚、鶏卵、にんにく、たまねぎ、ブロッコリー、芽キャベツと、リジンが多い肉や魚、大豆製品(特に湯葉)をあわせてとるとよいでしょう。
さらに、薄毛が気になるなら、亜鉛やビタミンB群などを中心にしたサプリメントもおススメです。
ただし、市販されているサプリメントの中には、身体に吸収されにくいものもあるので要注意。信頼のおけるサプリメントを取るようにしましょう。
基本は食事です。バランスが良く、ビタミン、タンパク質などをしっかりと吸収できる組み合わせの食事を心がけましょう。
加齢で毛髪は減少
毛髪にも毛周期(ヘアサイクル)があり、成長期、退行期、休止期という3つの状態を繰り返しています。
成長期は髪が伸びる時期、退行期は髪の成長が遅くなった時期、休止期は髪の成長が完全に止まっている時期です。
年齢が進むにつれて、毛周期(ヘアサイクル)が変化し、成長期にあたる毛髪の割合が少なくなり、休止期の割合が多くなります。
さらに、成長期の髪の伸びるスピードも加齢とともに遅くなるので、どうしても加齢で毛髪が減少してしまうのです。
なお、正常なヘアサイクルでは1日に50~100本抜けるといわれていますので、いつもよりも多くの毛が抜け始めたら、注意するようにしましょう。
更年期で女性ホルモンが乱れてくる
出産したことのある女性なら、出産後に抜け毛が多くなったご経験をお持ちの方も多いはず。
妊娠中は女性ホルモンが非常に多いので、毛周期(ヘアサイクル)が成長期のまま(ヘアサイクルを抑制する)なのですが、出産後に女性ホルモンが元の状態に戻るため、一時的に抜け毛が増えてしまうからです。
40代となると女性ホルモンの分泌も減少しはじめます。更年期ほどではありませんが、プレ更年期である40代は、毛髪量が減ってしまいがちなのです。
女性ホルモンが足りないのなら、ホルモン治療も考えよう
40歳を過ぎると卵巣機能が不安定になって女性ホルモンの分泌量も低下していきます。
女性ホルモン(エストロゲン)が低下することにより、自律神経失調や落ち込んだ気分、のぼせ、動悸、冷え、疲労感などの諸症状があらわれることがあります。
上記のような症状と薄毛があるのなら、婦人科で診てもらうようにしましょう。
女性ホルモンを補うお薬には、飲み薬、塗り薬、注射がありますので、医師のもと適切な治療を受けるようにしましょう。
精神的ストレスも要注意
ご存じの方も多いのですが、ストレスがあると手足が冷えてきます。
手足が冷えてしまうのは、自律神経の交感神経がストレスで強くはたらき、血管を縮めてしまうから。精神的ストレスが多いと、血管が常に細くなり血のめぐりが悪くなってしまうのです。
血のめぐりが悪いと、髪の毛だけではなく冷え性など、さまざまな問題が出てきますので、シャワーだけにしないで、湯船につかって「ゆったりとした時間」を過ごしましょう。
単に湯船で体を温めるだけでもいいのですが、ゆったりとした時間を過ごすことで自律神経が副交感神経優位になり、交感神経優位の状態から切り替わり、身体にとってもよい影響があります。
自律神経を整えるといわれるヨガや瞑想、マインドフルネスといった方法もおすすめです。
血流が悪いのなら、血流をよくする漢方など
手足の冷えが気になる女性なら、全身の血流が悪くなっているかもしれません。
血のめぐりが悪いと毛根にも栄養が届かず、薄毛になってしまいます。
ウォーキングなどの運動やお風呂で体を温める他、漢方を使う方法もあります。
漢方はお薬ですから、医師や薬剤師に相談してご自身にあったものをチョイスするようにしましょう。
薄毛を治す方法、全部が該当する場合も
「栄養不足で血流も悪く、女性ホルモンも減少している…」
「運動不足に会社や家のストレス、太ってきたからダイエットもしたいけど…」
複数の原因で薄毛になっている女性も多いのが実情です。
あれもこれもしなきゃならないので、ちょっと大変ですが、大切な髪を守るためにも、頑張っていきましょう。
大事なヘアケアも見直そう
薄毛かな?と思ったのなら、ヘアケアも見直すのも大切です。
間違ってない?シャンプーの仕方
まずは、毎日のシャンプーから見直していきましょう。
- 髪を濡らす前にブラシや櫛を使って、まんべんなく優しく髪をとかします。もし、引っ掛かりがあるようでしたら、丁寧にほぐします。
- 次に、しっかりと髪全体を濡らして、2~3分間お湯で予洗いします。シャンプーをつける前に、しっかりとまんべんなく濡らすようにしましょう。
- 洗顔と同じように、シャンプーも泡を立ててから、全体にいきわたらせます。髪で泡立てるのではなくて、泡立ててから髪につけるようにしましょう。
- 頭皮と顔はつながっていますから、洗顔と同じように頭皮はやさしく洗います。ゴシゴシ洗いたくなる方はガマン!指の腹でやさしく洗うようにしましょう。
- しっかりとすすぎをして、シャンプーの成分を落とすようにしましょう。
- コンディショナーやリンス、トリートメントを使う際は、頭皮につかないように、気を付けて使い、商品の裏側にある注意書きを読んで、しっかりとすすぎをするようにしましょう。
ポイントは「やさしく洗う」「たっぷり水分を含ませる」「すすぎはしっかり」です。
ヘアスプレーなどで固めているときのシャンプーは?
ヘアスプレーで固めている場合は、ブラッシングをすると髪の毛が痛んでしまいます。
ブラッシングはせずに、しっかりと髪を濡らしながら、コンディショナーやトリートメントを使って、髪を優しくほぐしていきます。
シャンプーではなくトリートメントを使い、シャワーで洗い流しながら髪をほぐすのがコツです。
あとは、上記のシャンプーの流れと同じですが、洗い残しがあると髪のベタつきやフケ、においが出てしまうので、しっかりと洗うようにしましょう。
髪を濡れたまま放置しない正しいドライヤーの仕方
髪を濡れたまま放置すると、髪が痛むだけではなく、においの原因にもなってしまいます。
次の手順で、乾かしましょう。
- タオルで全体の水分を吸い取ります。ゴシゴシはダメですよ。
- 髪の毛の流れに沿って、目の粗い櫛で軽く添えます。濡れたままブラッシングすると髪が痛みますので、髪の毛の流れを揃えるだけにしましょう。
- 髪の毛の流れに沿って、ドライヤーで乾かします。同じところにドライヤーの風をあて過ぎるのはダメ。ふんわりと乾かすようにしましょう。
- 8割ほど乾いたら、逆毛(髪の毛の流れと逆方法)でも乾かしましょう。逆毛方向で乾かすことでボリュームが出ます。
- ブローは髪の毛が完全に乾いてから、行うようにしましょう。
頭皮ケア(頭皮マッサージ)をしよう
頭皮ケアのポイントも、洗顔と同じように頭皮をこすらないのがコツです。
頭皮をこすってしまうと、ダメージを受けてしまうからです。
頭皮ごと動かすイメージや、硬くなった頭皮をはがすイメージで、血液がさらさらと流れるようにマッサージをします。
また、頭皮ヘアオイルなどを使うと、よりよい頭皮ケアができますので、ぜひ使ってみてください。
育毛剤は原因に応じて
髪のボリュームが出にくくなってきた方は、血行を促進する育毛剤がおススメ。毛根に働きかける成分が入っている育毛剤もおススメです。また、油分が多いと髪のボリュームが少なくなりがちなので、できるだけ入っていないものを選びましょう。
敏感肌の方は、エタノールや香料、着色料が入っていないものを選ぶのがポイント。乾燥肌の方は保湿成分が多いものを、頭皮がベタつく方はシャンプーの仕方が間違っている可能性もありますが、皮脂抑制成分の入ったものを選びましょう。
加齢臭やにおいが気になるのなら、消臭成分が入ったものがおススメです。
代表的な保湿成分
- ヒアルロン酸
- セラミド
- グリセリン
代表的な血行促進成分
- トウガラシエキス
- ニンニクエキス
- イチョウ葉エキス
毛根に働きかける成分
- リデンシル
- パントテニールエチルエーテル
皮脂抑制成分
- ユズエキス
- セイヨウハッカエキス
消臭成分
- セージエキス
- チャエキス
髪の毛を生やしたいなら発毛剤
育毛剤は「髪が育ちやすい環境を整える」ものですので、髪の毛を生やしたいのなら「髪を生やす成分」であるミノキシジルが入った発毛剤を選びましょう。
発毛剤を選ぶポイントは「女性用」であること。男性用と女性用では成分に差があるからです。成分が強ければ、かゆみやかぶれなどの副作用も強くなりがちになりますのでご注意ください。
また発毛剤は医薬品、育毛剤は医薬外部品と異なっています。
使っているヘアケア商品は自分にあっている?
あわない化粧水やファンデーションを使っていると、お肌のトラブルの原因になってしまうように、髪にも相性があります。値段が高いからといっても、あなたにあっているかどうかは別問題。ご使用中のヘアケア商品がご自身にあっているか、確かめましょう。
例えば、乾燥肌なら保湿成分が含まれているものがよいですし、冬は乾燥しやすいから保湿成分の高いもの、夏は汗っかきだから、さっぱりするヘアケア製品にするなど季節によってヘアケアを変えるのもおススメです。
お出かけにウィッグを活用する方法も
薄毛のケアを始めたからといって、すぐに結果が出るのはまれです。6か月間は頑張ってみましょう。
また、育毛ケアだけでは、思ったような効果が得られないこともあります。
そんなときにおすすめなのが、ウィッグを活用する方法です。
ウィッグといっても、コスプレなどで使うものから、がん治療の副作用で使う(医療用ウィッグ)もの、気になる(薄くなった)ポイントに使うもの、素材の違い、オーダーメイドなど様々な種類があります。
大切なのは、自分の髪色やヘアスタイル、頭の形にあっていることです。
最近では、ファッション感覚でウィッグを使う方も増えてきていますので、薄毛が気になるのでしたら、気軽な気持ちで使ってみてはいかがでしょうか。